2022年の5月22日、AAO(アメリカ矯正歯科学会)で技術革新による画期的な新素材、「ダイレクトプリントアライナー」がGraphy社より発表されました。

今後のマウスピース矯正を変える新素材です。

なんと言っても、その特徴は、

①SHAPE MEMORY、つまり『形状記憶』です。

60度程度のお湯で軟化し、体温になると、あらかじめ記憶された形に戻ります。

2番目の特徴は、
② 『マウスピースの歯やアタッチメントとの適合が従来法に比べて良好』

研究によれば、その隙間は従来のアライナーでは240ミクロンに対して、新素材のダイレクトプリントアライナーでは80ミクロンです。
この理由は、アライナー(マウスピース)の製造過程にあります。
従来法では、3Dプリンターでまず模型をプリントし、その模型にシートを圧接してマウスピースを作っていました。
これに対して、ダイレクトプリントアライナーは、3Dプリンターで直接マウスピースがプリントできます。
この製造過程の違いにより、歯やアタッチメントとよりぴったりしたマウスピースが作れるようになりました。

③煮沸消毒できる。着色しにくい。

④使用する材料であるレジンをは、ISOの毒性テストをクリア。アレルギーもなしで安心、安全。

 

この4点の特徴により、以下のような結果や治療効果が考えられます。

1:患者さんによるマウスピースの着脱が楽.(お湯で軟化できるため)
2:アタッチメントの脱離が少ない。(お湯で軟化できるため)
3:計画通りに歯が動きやすい。(適合がいいため)
4:アンフィットが起きにくい。(アンフィット=マウスピースと歯がぴったりしていないこと)
5:装着感がいい
6:マウスピースを歯科医院内で作る場合、従来法より作業工程が少ないため、人的エラーが起きにくい.作業時間の短縮になる。

ここからは、今後の研究によりますが・・・

7:治療期間の短縮の可能性?(通常一枚のマウスピースで動かす歯の移動量は0.25mmだが、ダイレクトプリントアライナーなら0.3〜0.35mmも可能かも?)
8:マウスピースを分割して使用?
例えば、下顎のマウスピースを入れて矯正する際に、左右の奥歯と前歯の3ピースに分けたマウスピースを入れてそれぞれのブロックごとに歯の移動をすることも出来る可能性があります。

 

🌟このダイレクトプリントアライナーは日本では代理店をおいての販売ではなく、個人輸入での販売になりそうです。
また、2022年6月現在、誰でも購入できるわけではありません。

購入できる条件は、

●性能の良いソフトとハードを持っていること
●それを使いこなせる技術と、それを活かすアライナー矯正の知識があることです。

性能の良いソフトとハードとは、

1、光学スキャナー(当院ではiTero)、CT
2、それらをマッチングして、矯正の治療計画を立てられるソフト(当院ではNEMO)
3、スペックの高い3Dプリンター(当院ではrapid shape)です。

それを使いこなせる技術と、それを活かすアライナー矯正の知識とは僕の師匠である尾島賢治先生のセミナーやNEMO検定6級合格になります。
それをクリアすると、日本で唯一のGraphy社公認のダイレクトプリントアライナーの導入セミナーを受けることが出来ます。
当院は、Graphy社のある本場韓国での初セミナー(2022年6 月12日)に先駆けて2022年の6月10日11日に日本での初セミナーに参加することができました。

日本いや世界で初のダイレクトプリントアライナーセミナーでしたが、条件が整い、参加できた歯科医院は3件だけでしたが、当院は、その1件に入ることが出来ました。

素晴らしい材料を使って、よりより治療を患者さんに早く提供できるよう、これからも日々精進して行きます。

最後に、ダイレクトプリントアライナーを主催して頂いた尾島賢治先生のお言葉を載せて、今後の精進への誓いといたします。

『ついに日本でもダイレクトプリントマテリアルのハンズオン実習が始まりました! 世界に先駆け3Dプリンターによるアライナー、リテーナーのダイレクトプリントは間違いなく次世代の矯正歯科分野におけるNEW FRONTIER になるでしょう😊

6回コースや夜間コースで学ばれた先生方がついにこの実習を受けていただき僕も大変嬉しいです。

3Dプリンターをもっていない?と言うのはもうやめにして、素晴らしいスペックのプリンターと素晴らしいスペックのシュミレーションソフトとアライナー矯正学を学ばれだ先生方が新しい武器である新素材を内製化し、素晴らしい治療をして頂けるように頑張って頂きたいです😊』