インプラントをしている歯があっても矯正治療は可能です。ただし、インプラントと天然歯では異なる特性があるため、治療計画において重要な考慮事項となります。

インプラントと矯正治療の関係

インプラントは骨と直接結合しているため、天然歯のように動かすことはできません。これはインプラントが「アンキローシス」と呼ばれる状態になっているためです。しかし、この特性をうまく活用することができます。

矯正治療でのインプラントの活用法

  1. 固定源(アンカレッジ)として活用 インプラントは動かないため、他の歯を動かす際の固定源として利用できます。例えば、歯列の一部を後方に移動させたい場合、インプラントを固定点として使用することが可能です。
  2. インプラント周囲の天然歯を移動 インプラントはそのままに、周囲の天然歯を適切な位置に動かすことができます。

シェイプメモリーアライナー(SMA)での対応

当院で使用しているシェイプメモリーアライナーは、このような状況でも効果的に対応できます。インプラントがある場合は、以下のようなアプローチをとります:

  • インプラントの位置を固定点として設定
  • 他の天然歯のみを動かす計画を立てる
  • 必要に応じてTAD(ミニスクリュー)を追加して固定源を強化

診断の重要性

インプラントと矯正治療の併用には、精密な診断が欠かせません。当院では以下の検査を行います:

  • 3D CTスキャン:骨の状態とインプラントの位置を正確に把握
  • 光学スキャン:現在の歯列の状態を詳細に記録
  • コンピューターシミュレーション:予測される歯の動きを確認

よくある質問

Q: インプラントがあると治療期間は長くなりますか? A: ケースによります。インプラントを固定源として利用できる場合、むしろ治療期間が短縮される可能性もあります。

Q: インプラントの周りの歯茎に影響はありませんか? A: 適切な計画と治療であれば、インプラント周囲の歯茎に悪影響を与えることはありません。

まずはご相談ください。インプラントの本数や位置によって治療計画は異なります。当院では一人ひとりの状態に合わせたオーダーメイドの治療計画をご提案します。